木造とは、住宅の主要な部分に木材を使用して建てられた建物のことを指します。日本では神社仏閣を含めた多くの建物が木造で建てられてきており、住宅としてもっとも一般的な建物構造だとされています。木材は吸収性や吸湿性が高いため、四季折々で気候が変化する日本の風土に最適な材料です。
木材には様々な特性があり、それは人にとって都合の良いものもあれば、悪いものもあります。しかし、それこそが木の性質だと言えます。その長所、短所の両方が木材が生きていた事を感じさせ、無機物の素材にはない魅力となっています。
【木の3つの特徴】
① 木造軸組工法(在来工法) | ② 木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法) |
![]() 在来工法 |
![]() ツーバイフォー工法 |
![]() 在来工法 外観 |
![]() ツーバイフォー工法 外観 |
下記表は、左右にスクロールします。
構造の種別 | 構造の特徴 | 構造の概略図 |
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木造軸組工法 (在来工法) |
木造軸組工法とは、日本古来の工法で、柱と梁で補強しながら骨組みを築く建築手法のことです。在来工法とも呼ば れています。柱に梁を渡し屋根を先行して建築するといった、日本の気候風土に合わせた工法です。木材の接合部は、木材を加工し、補助金物で接合する特徴があります。木材の接合部に金物を使用する在来工法に対し、金物補強を しない工法のことを伝統工法と呼びます。木造軸組工法は、金物を使用するなど、伝統工法を現代建築に発展させた 建築手法です。 |
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枠組壁工法 (ツーバイフォー工法) |
木造壁式工法(ツーバイフォー)は、2インチ×4インチの木材でつくったパネルで組み立てていく建築手法です。 日本古来の工法ではなく、北米から伝わった工法です。接合部は、釘と接着剤を利用します。使用する角材やパネルのサイズはあらかじめ決まっているため、高度な専門技術がない人でも、短い工期で組み立てられる特徴があります。 木造軸組工法との違いは、北米の気候に合わせて建てる建築手法である点です。木造壁式工法(ツーバイフォー)では、1階の床・壁、2階の床・壁の順序で行い、屋根は最後に組み立てる為、木造軸組工法に比べ、雨養生をしっかり おこなえる業者を選ぶ必要があります。 |
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1.調湿性・通気性が高い 木造のメリットの1つ目は「調湿性・通気性が高い」ことです。
木材には多湿時に湿気を吸収し、乾燥時には湿気を放出する調湿効果があります。この調湿効果はRC・鉄骨造住宅にはないため、家電や住宅の換気性能に頼らなければなりません。
また、室内の湿度が高くなると結露が発生し、カビやダニが増殖しやすくなります。
2.断熱性が高い 木造のメリットの2つ目は「断熱性が高い」ことです。
木材は断熱性が高く、木、コンクリート、鉄の3つの熱伝導率を比べると、木はコンクリートの約12倍、鉄の約483倍、断熱性に優れているといわれます。住宅の断熱性は構造で決まる訳ではありませんが、構造で見た場合、木造は断熱性が高いといえます。住宅において断熱性が高いということは、室内の涼しさや暖かさが一定に保たれるため、夏の暑さ対策、冬の寒さ対策に役立ちます。また、室温が一定に保ちやすいので冷暖房費が抑えられ、省エネにも繋がります。
3.木の風合いが落ち着きを生む 木造のメリットの3つ目は「木の風合いが落ち着きを生む」ことです。
木は手足が触れたときのぬくもりや、心地よい柔らかさなど、ほかの素材にはない魅力をもっています。日本人は古くから木を生活に取り入れているため、木造住宅に親しみを感じる方は多いでしょう。構造だけではなく、柱や床など目に見える場所に木材を採用することで、自然を身近に感じ、温かみのある家づくりが実現できます。
【調湿性・通気性が高い】
【断熱性が高い】
【木の風合いが落ち着きを生む】